かじた先生のバイオリン教室

かじた先生の先生2

偉大なる恩師

 
   日本が生んだ大バイオリニスト-外山滋先生


外山先生に始めてお会いしたのは確か中学生になった頃だったと思います。

こんなすごいバイオリニストに会えてまたレッスンを受けられるなんて・・・私は、がちがちに緊張してしまい、はじめは何の話しをしたかなど覚えていません。聞きたいことは山ほどあるのに口から出てきません!

ひとつだけ覚えているのは、「君は自分のバイオリンのどこが気に入らないの?」と言う質問。

「全部」(笑)と言いたかったのですが、この質問に戸惑ってしまい、え?なに?

あたまの中が?@#%? どこが悪い? どこをどうしたい??解釈の話??? 

パニクってしまい即答できない私に外山先生は笑いながら、「自分がどうしたいかとか、どこが気に入らないかとか解ってないとまず上達しないでしょ」と言われました。もちろん山ほど自分の悪いところは気づいていたのですが、こんな大バイオリニストを前に即答できるわけがなく、ただがちがちになっていた私でした。ベシャリな私が無口になっていたのです!

その後レッスンが始まり、月に1~2回ほどのペースで見ていただくうちに音楽の表現の仕方を徹底的に教わりました。彼がまず質問してくることはもって行った曲をどう弾きたいかと言うことです。つまりメンコンもチャイコンもベトコンもブラコンも誰が弾いても同じ音しか出ないわけで、ここで個性を出すのがそれぞれの演奏家の使命、誰かの真似をしていたら自分の音楽にならないのです。

れまでは、基礎を重点的にやってきたので(曲なんか毎日学生コンクール以外ほとんど弾かしてもらったことがない)曲を理解して自分の思うように表現すると言うことを始めて学んだような気がします。モーツァルトはどんなヤツだったかとか、チャイコフスキーはとか、どう弾けばバッハの音になるかとか・・・。

この音楽家の意外なところを見たのはウィニアウスキーのコンチェルトを見ていただいている時、あるパッセージで「今のところもう一度弾いてみて」と言われたので繰り返し演奏すると、彼は自分のガルネリを取り出して「おもしろい!そういう解釈もあったんだ!」と私の弾き方をためされたのです。「僕はね、良い演奏は誰からでも取りますよ。どんな偉大な演奏家であろうと弟子であろうと」 はっきり言って振ると面食らうじゃないですが(古い)驚いてしまいました。でも音楽と言うのはそういうものです。私もいまだに自分の生徒さんの演奏で感動することがあります。

このすばらしい先生に音楽以外でも勝てなかったこと。

それは卓球!

うちでレッスンをする時、先生はいつも近くのホテルに泊まられているのですが、電話で呼び出され「ここら辺で卓球できるとこないかなあ」ときかれたので「卓球??最近やってないぞ・・・どこにあるかなあ??」と考えているうちに近くの遊園地にあることを思い出し早速友人のバイオリニストと3人で出かけることに。

卓球ねえ?

不思議に思っていたら早速ゲーム開始でいや外山先生の上手いのなんのって・・・・。

勝てるわきゃねえ!まともにやってても勝てない私はない知恵をしぼりカットしたりいろんな技(?)を試してどうにか相手に球を返そうと乱舞。友人の方は、とにかく打ち返す、ということをやっていると外山先生は「二人の音楽を見てるようだ」と爆笑されました。

私はバイオリンでも問題にあたるとあらゆる角度からそれを解決しようとし、友人は突進していくタイプだったのです。

完敗!

ま、勝てるわきゃねえな!良い汗をかいたあと昼食を楽しみ、家に帰って真剣に卓球を習おうかと思いました(爆)。

外山先生に言われて最も感動したことは
「君はモーツァルトは苦労しないでモーツァルトの音が出せるね」と言う言葉です。

持ち前のひょうきんさとちゃらんぽらんな性格がそうさせたのかもしれませんが、それでもこの一言は感動しました。

外山先生に付けられたあだ名は「材木屋」。

このサイトを読んでいただければ解ると思いますが、私はいろんなものに興味があり手を出していました。先生から言わせると、材木屋-木(気)が多い-だそうです(笑)。

そのあとも関西方面に来られた時や私が関東の方にお邪魔した時は千秋先輩とミルヒーのような関係になり、先生の行くとこ行くとこかばん持ちのように付いてまわり、ここでは書けないようなところまでご一緒させていただき・・・(いったい二人で何をやっとるんだ!?)ちがうページでも書きましたが、すばらしい師匠と言うのは一緒にいるだけでいろんなことをどんどん学んでいきます!音楽だけではなく人生の師匠です。私はこのようなすばらしい人生の師匠にたくさん会えることができました。

まだまだ彼のエピソードはあるのですがまたちがう機会に。

 
上の写真は外山先生と共演させて頂いた時のものです。

右の写真はまさに卓球に行く前の写真です!!!