弦のお話


もちろん楽器を購入したときに何かの弦ははってあると思いますがそれがいい物かどうかはわかりません。あとこの弦ですがいつ切れるかは神のみぞ知るで、必ず1セットはスペアを持っておきましょう。

弦の種類ですが、これはかなりいろいろなものがあります。大きく分けるとスチール(金属製)、シンセティック(ガットに似せた新しい樹脂)とガット(昔から使われている動物の内臓でできているもの)です。

スチール弦
は小さな楽器1/16や1/8のようなものは別として楽器が大きくなるにしたがって金属音の「キンキン」が耳にはあまりうれしくないと思います。音ははっきりして大きいので小さい楽器にはいいのですが激しく弾くとピッチが「ウワーン」と猫の鳴き声のように上がりこれは始めたばかりの小さなお子さんには耳のトレーニングという意味でもよくないと思います。

ガット
ははっきり言って最高の音がします!じゃあガットに決まりということになりますがデメリットも多いのです。とても気候に左右されやすいのです。舞台袖からステージに上がりスポットライトを浴びた瞬間にピッチが狂います(笑)。弾いている最中にピッチが狂います(涙)。1楽章から3楽章まで通しで弾いてピッチがあっていたためしがありません(爆)。ということはいつも調弦をしていなければいけないということで私が若いころはガットしかなかったためにいまだに常にバイオリンを調弦する癖が付いてしまってます。状況によって音色が変わったりもしてイライラの種に。「何で今日は楽器がならない(良い音がしない)んだろう?」なんてことも多々!でも最初に言ったようにすべての条件がそろった時、ガット弦は他の弦では真似できない甘いとろけるような音が出ます。ということで残念ながら初心者にはおすすめしません。しかも弦の中で一番高価!

そこでシンセティックが生まれました。

今でも業界スタンダード(?)の「Dominant弦」に出会ったのは私が確か小学校高学年か中学生のころでした。いつも楽器の調整をお願いしている方から新しい弦が入ったので試してくれと1セットいただいたのですが、それまでガットしか使ったことのなかった私はいきなり袋に入ってる弦を見ただけで「なんか良い音しなさそう」と思い込んでしまいしばらくはケースの中にしまったままでした。でもそのままにしておくものもったいないので一度張り替えてみたのですがやはり先入観もあったのかいまいち好きにはなれません。大きい音はするのですがトーン(音色)が粗く、じゃりじゃりとしていたためすぐにまたガットに。そのあともしばらくガットを使っていたのですが、アメリカに来てからはこのDominantに変えてもあまりじゃりじゃり音もなく、気候にもあっていたのか弦自体も改良されたのか「これなら良いな」と思える弦になっていました。今ではこのシンセティックが主流でパールマンはいまだにDominant愛好家だしJoshua BellはEvah Pirazziを愛用してるようです。私はObligatoという弦を最近まで使っていたのですが今はLarsenから新しく出たTziganeを使ってます。

今までの経験上新しく買ったバイオリンにつける弦としてはまずはDominantをおすすめします。なんといっても無難です。そこを出発点としていろいろな弦を試されるといいでしょう。小さな楽器にはPirastroのPiranitoという弦も良いそうです。

どうしてもガットを試したい方!Pirastroから新しくPassioneというガット弦が出ました。かなり評判が良いらしく品薄だとか・・・。このガット弦は今までよりも気候などによる影響が少ないそうです。次回はこの弦を試してみます。       

補足:最近ユーロが強いためヨーロッパの弦の値段が上がってしまいました!!!

弦もやはり練習を重ねていくうちに自分に合った音を探すときがくると思います。そのときまでに自分の耳もトレーニングして音を聞き分けれる耳を育てましょう。とにかくミュージシャンは耳が命です!

最後に、弦は少なくとも半年に1度はかえましょう。古くなった弦はいい音がしません。もしあなたが一日5時間ほど弾くのでしたら2週間ほどで弦はだめになるかもしれません。現にプロの奏者は大体2週間で弦を変えます。

この弦も汗などの水分でさびたりしますので、練習、演奏が終わったらきれいに拭いてあげましょう。